西川町大井沢自然博物館研究誌
第2号
− 目次(要旨)−
P3-7 中山文仁・作山宗樹・大沢八州男・小澤健・陶山大輔・向山満 月山山麓におけるコウモリ類の確認記録
要旨:山形県西村山郡西川町の月山山麓において、2007年9月にコウモリ類の捕獲調査を行った。その結果、6種 (キクガシラコウモリ Rhinolophus ferrumequinum、ヒメホオヒゲコウモリ Myotis ikonnikovi、カグヤコウモリ Myotis frater、モモジロコウモリ Myotis macrodactylus、コテングコウモリ Murina ussuriensis、ヒナコウモリ Vespertilio superans)のコウモリ類を合わせて17頭確認した。また、キクガシラコウモリとカグヤコウモリの夜間ねぐら(ナイトルースト)を確認した。
P10-15 石川 和宏 寒河江ダム(月山湖)周辺で確認されたシャチホコガ類
要旨:寒河江ダム(月山湖)周辺において、過去に記録されたシャチホコガ類について、既存報告書並びに保管標本を基に整理し、寒河江ダム周辺におけるシャチホコガ類67種の目録を作成した。
 また、確認種の食草を整理し、周辺植生とシャチホコガ類の特徴並びに今後の留意点について示した。
P16-17 沢  和浩 西川町に産するホソバヒルムロ
P18-22 中村 夢奈 大井沢(山形県西村山郡西川町)のニホンヤマネ 
Glirulus japonicus−巣箱を用いたモニタリング調査−
要旨:本研究では、山形県に生息するヤマネの生態と好適な生息環境を解明し、本種の保全に資する新たな知見を得ることを目的に、同県内で最も生息情報が多い大井沢地区において、ヤマネなど樹上性小型哺乳動物の生態調査用に開発した巣箱を用いて、試行的な生息調査を行なった。その結果、巣箱内に、ヤマネの生活痕と考えられるコケの巣材とサルナシの未消化の種が混入した糞を確認した。しかし、巣箱の利用率は他地域と比べて低かった。今後は、巣箱設置数を増加させて長期にわたる定期的なモニタリングを行うことで、東北地方のヤマネの好適な生息条件を明らかにすることができると考えられる。
P25-27 石川 和宏 寒河江川流域で確認されたフクドジョウ
P28-30 武浪秀子・沢和浩・横山完 西川町志津「五色沼」の水生植物の
現状について
要旨:西川町志津地区にある五色沼は、現在のところ県内唯一の希少種“ホソバヒルムシロ”の生育地であるが、詳細な沼内の分布状況は分かっていない。今回、本種を含めた沼内の水生植物の実態を把握するために調査を行った。また調査によって、流入口の一部から流れ込む土砂による個体数減少も懸念された。
P31-32 武浪 秀子 朝日山地に産するナガボノコジュズスゲ
要旨:2007年の磐梯朝日国立公園植物調査において、ナガボノコジュズスゲが竜ヶ岳周辺において自生しているのを確認したので、その現況及び保全対策について報告する。
<コラムなど>
P2 志田 忠儀 骨茸(オニゲナ菌)回想
P8-9 前田 武 熊談議
P23-24 今野 晴登 里山の花
P33-37 平成19年度博物館活動記録
※当研究誌は(財)ダム水源地環境整備センターのダム水源地域サポート事業の助成を受けおります。

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