西川町大井沢自然博物館研究誌 | ||
第3号 | ||
− 目次(要旨)− | ||
P1-6 | 大高 力 | 寒河江川流域における蝶相について |
P7-12 | 倉西良一・小林 貞・武浪秀子 | 山形県朝日連峰鳥原山湿原の池塘におけるヤチアミメトビケラとその幼虫の携巣に共生するユスリカ科昆虫の採集記録 |
要旨:山形県朝日連峰鳥原山湿原で採集されたヤチアミメトビケラOligotrichia spicata Wiggins and Kuwayamaの成虫と幼虫を報告した。 ヤチアミメトビケラの生態的な特性から山地湿原の環境指標生物としての可能性を論じた。 ハモンユスリカ属の幼虫をヤチアミメトビケラの幼虫の携巣上で見出し, 付着巣の状態から共生と推測されたのでこれを記録した。 | ||
P13-14 | 橋本 勝 | 骨格標本展示における平面骨格の試み |
P15-19 | 中村夢奈・小城伸晃・武浪秀子 | 大井沢(山形県西村山郡西川町)のニホンヤマネ Glirulus japonicus第2報−巣箱調査と飼育記録− |
要旨:本研究は山形県に生息するヤマネの生態と好適な生息環境を解明し、本種の保全に資する新たな知見を得ることを目的に、大井沢地区において、ヤマネの生態調査用巣箱を用いた試行的な生息調査と飼育下における行動観察を行った。その結果、巣箱内にスギやサクラの樹皮の巣材、糞及び休眠中のメス個体を確認することができた。飼育期間中のヤマネの体温は低温時には外気温と高い同調性を示したが、冬眠行動は観察されなかった。今回の結果から、体重が軽いために冬眠を乗り切ることが困難な晩秋産まれの個体であった可能性が示唆された。今後は、継続的なモニタリング調査を行うことで、豪雪地帯のヤマネの冬眠場所や繁殖戦略を明らかにすることができると考えられる。 | ||
P20-23 | 武浪秀子・家山博史 | 朝日山地「竜ヶ池」のハイイロマメシジミの記録 |
要旨:朝日山地「竜ヶ池」の小さな水溜りで,ハイイロマメシジミPisidium casertanum (Poli,1791)の生息を確認した。竜ヶ池付近での生息記録は,過去に見当たらず今回の記録が初記録となる。 | ||
P24-31 | 武浪秀子・沢 和浩・伊藤 聡・横山 完 | 月山志津池沼群における植物・昆虫類の現況について |
要旨:山形県月山山麓の西川町志津に点在する大小の池沼・湿原で,過去に希少な野生動植物が多数確認されている。しかし,それらの生息状況や生息環境については,近年ほとんど調査が行われておらず,現況に不明な点が多い。今回,自然環境保全を踏まえた基礎データ集積のため,水環境の変化に影響を受け易い植物と昆虫に注目して調査を行った。その結果,池沼周辺の植物相や昆虫類の現状を把握する事ができた。 | ||
<コラムなど> | ||
P32 | 志田忠儀 | 朝日の山の奥深さ |
P33-34 | 前田 武 | ヤマネとの出会い |
P35-39 | 平成20年度博物館活動記録 | |
※当研究誌は,平成20年度(財)ダム水源地環境整備センターのダム水源地域サポート事業の助成を受けおります。 |